OZEKI 発酵ラボ

健康 2020年11月10日

発酵食品は、なぜ体にいいの?

普段の食事やお酒の肴としてもおなじみの発酵食品。発酵食品は体に良いと言われていますが、その理由とはなんでしょう?まずは「発酵」について説明していきます。

「発酵」とは?

「発酵」をわかりやすく言うと「微生物が人にとって役立つものを作り出すこと」。
微生物が生きるために行っている、エサを食べてエネルギーを生み出すという生命活動によって生み出された副産物を、人間が有効活用しているのです。
また微生物が食品に及ぼす影響として、「腐敗」「腐る」という言葉もありますね。では「発酵」と「腐敗」の違いは?と思われると思いますが、微生物によって生み出されたものが、人にとって役に時に「発酵」、 役に立たない又は害を及ぼす時に「腐敗」と言います。

「発酵」のメカニズム

発酵に関わる微生物は、麹菌、酵母、納豆菌、乳酸菌などがあります。
微生物のエネルギー源は、主に糖分やタンパク質。それを自分に取り込むために分解、変換して、多種多様の副産物を産み出します。

日本酒の場合ですと、発酵に関わるのは、主に麹菌と酵母。
米の栄養素を、酵母が食べるためには、麹菌の助けが必要です。日本酒造りの過程で、蒸した米に麹菌を生やします。これは、酵母が米の栄養を食べるために、米の成分(でんぷん)を細かく切るため。でんぷんはブドウ糖が鎖状に繋がったものなので、それを細かく切る事で、ブドウ糖が作られます。こうして、酵母が食べられる形にしてから、酵母を加えると、酵母がブドウ糖を食べて、分解するときにアルコールができます。
酵母を添加する前の、米を麹が糖化した状態は、米麹甘酒に似たものになります。これに酵母を加えると、アルコール発酵が始まります。

上の写真は発酵が上手くいって、アルコールがたくさん出た状態です。「もろみ」と呼ばれる米由来の乳白色の液体を絞り、液体と固体に分離すると、日本酒(原酒)と酒粕になります。