OZEKI 発酵ラボ

おいしさ 2020年3月31日

ベストペアリングを徹底調査

日本酒に合う意外な食べ物とは? Vol.1

日本酒に合うおつまみやアテといえば、いかの塩辛や刺し身、柿の種…王道のラインナップを思い浮かべる方が多いでしょう。でも、試していないだけで、思いもよらぬ食べ物がイケるということもあるんです! そんな食べ物とそれに合う日本酒を飲み比べし、ベストペアリングを探す企画。第1回は、この時期店頭に並ぶあの食べ物です。さあ、どんな結果が出るのか…お楽しみください!

日本酒と合う意外な食べ物、それは…

意外に思えますが、和菓子は日本酒と相性がよい食べ物なんです。そんな和菓子の中でも、今回は「いちご大福」を取り上げます。いちごをあんでくるみ、さらにお餅で包んだ大福は、いちごの旬である1月から3月にかけて味わえる和菓子。なんと言っても、ジューシーないちごの酸味とあんの甘味がおいしいんですよね。小豆あんと白あん、生クリームなど、あんにバリエーションがあるのも楽しいところ。一緒に合わせるとなると、緑茶やコーヒーなど渋味や苦味がある飲み物が定番かと思います。それがなぜ、日本酒と合うのでしょうか。

なぜ日本酒との相性がよい?

ここで、日本酒といちご大福それぞれの製造工程や素材に注目してみましょう。日本酒は米からつくられていますが、いちご大福のお餅も原材料は米。同じ原材料を使っていることが、相性のよさを生み出しています。もうひとつの共通点は発酵。日本酒は、米のデンプンをこうじの酵素が糖へと分解(糖化)、その糖を酵母でアルコール発酵します。でも、「いちご大福って発酵食品?」とギモンに思いませんか?? 実は、いちご大福にも糖と酵母菌が関係しています。いちごを覆うあんの糖分がいちごの皮についている酵母菌を増やし、発酵しやすい状態になるのだとか。同じ原材料を使って、発酵している食品であること。それが、相性のよさにも繋がっていると考えられます。

ベストペアリングな日本酒を探してみた!

甘口、辛口など様々な種類がある日本酒。では、いちご大福にはどんな日本酒が合うのか。大関とご縁がある広告会社協力のもと、さっそく調査を開始しました! 用意したのは、白あんタイプのいちご大福と、大関の日本酒『辛丹波』『山田錦』『生貯蔵酒』『極上の甘口』。20代から50代の男女に、それぞれ単品での味わいと、いちご大福とのペアリングを楽しんでもらいました。日本酒のみを味わった時の代表的な感想は…

40代女性
「THE日本酒な『辛丹波』は、キレがよいですね」

50代男性
「『山田錦』は、香りがよく、後味がまろやか」

20代男性
「『生貯蔵酒』は、飲みやすくすっきりした味わい」

20代女性
「『極上の甘口』、ワインぽくて女性が好きそう」

次に、それぞれいちご大福とペアリング。まずは『辛丹波』から。「しっかりした飲み口なので、大福の味が負けてしまう」(50代男性)というように、日本酒らしさが裏目に出てしまう組み合わせのようです。同じ辛口で口当たりまろやかな『山田錦』はというと、「単品の方がうま味を感じる」(40代女性)という意見。残念ながらお互いのおいしさを消してしまうことに…どうやら辛口といちご大福の相性は、あまり合わない様子ですね。では、フレッシュな味わいの『生貯蔵酒』は…「口の中でお互いがうまく混じり合うとおいしい」(20代女性)という意見があるものの、半数以上が単品で飲む方がよいとのことでした。最後に、甘口代表『極上の甘口』。こちらは「いちごの味が引き立って、お互いの味のジャマをすることなく、ハマりそう!」(20代男性)、「日本酒になじみのない飲める女子なら、デザートと一緒がおすすめ」(50代女性)という結果になりました。

発表!ベストペアリングな日本酒

飲み比べた末、『辛丹波』『山田錦』の辛口タイプは、日本酒といちご大福それぞれの個性が消えてしまうことに。『生貯蔵酒』は合うという意見はあるものの、いちご大福の味を引き立てるまでにはいたらず…満場一致でベストペアリングとなったのは『極上の甘口』です!日本酒といちご大福それぞれがもつ甘味と酸味が見事に重なり、おいしさへと繋がりました。大関商品担当者によると「他に類を見ない濃厚で上品な甘さが、意外な相性のよさを生み出したのだと思います」とのこと。

よりおいしく味わうには…

通常の日本酒と比べて原料の米を多く入れることで、濃厚な甘味と適度な酸味を実現した『極上の甘口』。いちご大福とのペアリングでは『極上の甘口』をキリッと冷やして飲むことがおすすめだとか。「冷やすことで飲み口が軽くなり、口の中で甘味と酸味が広がります。いちご大福の甘味をある程度ウォッシュしつつ、それに負けない甘味と酸味の余韻を楽しめますよ」(大関商品担当者談)とのこと。

お好みの味わいはどれですか?

大関で開発した「味わいマップ」(上の図)によると、コク、ふくよかさがある甘口日本酒『極上の甘口』が、今回のいちご大福にベストマッチしたことがわかります。最新機器での分析結果と杜氏・技術者の味覚を組み合わせた「味わいマップ」。お好みの味わいから大関商品を選んでいただけます。どうぞご参考ください。

まとめ

日本酒といちご大福。どちらも原材料に米が使われていて、発酵していることからペアリングとして好相性です。日本酒の中でもいちご大福に合う種類を調査したところ、お互いのおいしさを引き立てるベストペアリングは『極上の甘口』に決定。それぞれの甘味と酸味が合うという意外な組み合わせ、この機会にぜひお試しください。